法政アクティブリサーチ 第7・8回 共通授業

日時:2018年10月31日(水)
場所:和顔館 B209教室
第7回 共通講義
テーマ:紛争解決における交渉
 


第7回は共通講義として、ワークショップ活動を行った。外部講師として興津慶氏(アルク行政書士総合事務所/龍谷大学大学院法学研究科修士1年)が参加し、「紛争解決における交渉」ゲームを行った。ADRというのは、Alternative Dispute Resolutionの略で、訴訟になる手前で、当事者同士で紛争を解決する制度のことである。ADRの事例としてこのワークショップでは参加者が自治体の市長となり、「必要ではあるが受け容れ困難な施設」すなわちNIMBY(Not in my backyard)な施設の受け入れ先を決定する交渉のロールプレイを行ってもらった。

ロールプレイは40分間実施し、この間に市長となった参加者は5人一組で交渉を行う。それぞれの自治体のある県の条件や環境はそれぞれ異なっており、参加者は所与の条件・環境を比較検討しながら、組となった参加者同士と交渉していく。40分以内にどこかの自治体にNIMBY施設を引き受けてもらうよう、お互いに説得し合うのである。この時、参加者は二つの教室に別れている。これは興津氏のロールプレイに実験的要素を加えるためである。ひとつの教室にはハーバード流交渉学といわれる技術のエッセンスとなる寓話を伝え、もうひとつの教室には何も伝えていない。このワークショップの目的は、ハーバード流交渉学のエッセンスを伝えた教室と伝えなかった教室で交渉の決定過程や参加者の満足度、および決定方法に違いが見られるか否かを測定することなのである。

参加した学生にはワークショップ実験終了後、ハーバード流交渉学の内容を全員に伝え、ADRにおける交渉の意味を理解してもらうように努めた。実験による発見のひとつは、交渉学のエッセンスを伝えた教室では説得と合意による意思決定を行った班が多数を占めたのに対し、伝えなかった教室では議論を尽くすものの最終的な決定は多数決によって行っていたことである。法学部の学生はこれまでの学校教育を通じて、「条件を比較考量し議論を尽くしつつも最終的には多数決を行う」ことが意思決定のスタイルであると考えているようだ。しかしながら交渉学のエッセンスを伝えることで、参加者それぞれがwin-winの関係を作り上げる状態を考え、全会一致になるような交渉プロセスを担うように、その行動が変化したのである。

日時:2018年10月31日(水)
場所:21号館 101教室
第8回 共通講義

テーマ:地下鉄サリン事件・講演会の準備学習

第8回は11月28日に予定されている講演会のため、準備学習としてNHKのドキュメンタリーを視聴した。