2017年度法政AR 第8回、第9回の記録


法政アクティブリサーチ 第七回・八回講義

日時:20171122日(水) 3限~4限(1315分~1630分)
場所:龍谷大学 5号館303
担当者:牛尾洋也、今川嘉文、石塚武志、濱中新吾

 ▼本講義構成(濱中)

 ①「実証分析入門」講義・演習

 ②PCを用いた演習

 ▼本講義内容(濱中)

Ⅰ 3限(1315分〜1425分)

1.    実証分析入門とは何か?

・リサーチのタイプ

 ①現状確認型のリサーチ→何がどうなっているかわからない⇒現場を訪ねてみる

 ②因果関係の解明

R=P×B+D-C ライカー・オーデシュックモデル

 R:行くか、いかないか

 P:自分の一票が勝敗に左右すると考える主観

 B:政策選好(ある政党に投票することによって得られる利益)

 D:義務感

 C:投票コスト

・ライカー・オーデシュックモデルは、実用性がないのではないか?

 ⇒地方の自治体と国政の投票率格差問題では使える(Pが効いているか効いてないか)

・あらゆることには原因がある。原因を突き詰めればなぜそうなったかがわかる



2.    リサーチクエスチョンとは

 ○○とは何か?/なぜ××が生じるのか

 規範的問題(~すべきだ。批判的)と実証的問題

・研究テーマの良さとは何か(明快さ、検証可能性、理論的重要性、実用性、独創性)



3.    練習問題

    規範的問題か実証的問題か

 ②規範的問題から実証的問題への変換



Ⅱ 4限(1440分~1615分)レジュメ有

1.IBM SPSSの起動・データインポート

2.理論(3限の続き)

犯罪学の代表的な理論:環境犯罪学、犯罪の経済学

良い理論の条件:反証可能性

3.演習:治安悪化の要因分析

  ➀何が原因で犯罪が多いか?

仮設1:地域が都市化しているほど、犯罪が起こりやすい

仮設2:地域経済の状況が悪いほど、犯罪が起こりやすい

②散布図と計量分析による検証

 ・データの変換 対数(log)をつくる

 ・対数化したもの散布図にする→「X:人口(対数)とY:犯罪件数(対数)」、「X:失業人数(対数)とY:犯罪件数(対数)」

    相関分析を行う(犯罪件数と人口・失業の関係)

 ・散布図に近似直線を引く

 ・回帰分析の結果を出す

④解釈

・対数を真数に戻して解釈する→回帰分析の内容を把握(Excelで真数を求められる)

4.理論に戻る

・現実的な分析

◆講義の様子



2017年度法政AR 第5回、第6回の記録


法政アクティブリサーチ 第五回、第六回講義 
日時:20171101日(水) 3、4講時(1315分~1630分)
場所:龍谷大学 21号館101教室
担当者:石塚武志、今川嘉文


 Ⅰ 3講時  「自治体施策の形成過程に関する調査方法」 担当:石塚武志

 1.「自治体施策の形成過程に関する調査方法」説明:石塚先生

 今日の自治体施策について分析する際に知っておくべき基本事項等 -講義資料 参照

 使用資料:「自治体施策の形成過程に関する調査方法」文責:石塚先生 A3

     「京都市宿泊税条例について」ワークシート A

 ◎情報収集の方法



2.<考えよう!>インターネットを利用し、ワークシートを作成しよう

(1)「京都市住みたい・訪れたいまちづくりに係る財源の在り方に関する検討委員会」を検索し、中間とりまとめを読んで、「なぜ京都市に宿泊した人に宿泊税を課す」ことを考えているのか。 

(2)「総務省自治税務局のウェブサイト」を利用し、大阪府の「宿泊税」について、総務大臣の同意の要件に関し、どのようなポイントがチェックされたか。 

(3)「京都市会会議」検索システムを利用し、平成293月〇日の定例会において、〇〇議員は、京都市の宿泊税による収入使途に関してどのような意見か?

◆講義の様子



Ⅱ 4講時「マーケティングリサーチによる企業ニーズの実現を探る」 担当:今川嘉文
 1.「企画を考える!!~情報を売る~」について: 今川先生
使用資料:「企画を考える!!~情報を売る~」文責:今川先生 A4冊子
     「企画作成の用紙」 A4
 基本コンセプト
「地元企業に対する活性化施策と多様な事業承継手法の提案」
 京都と国内外からの目線「京都は日本のショーウィンドー」
 京都の特色を利用し、地元産業・企業を盛り上げるには?

 テーマ(1)中小企業における外国人労働者の受け入れと課題
     受け入れに於いての規制とは?

 テーマ(2)大学と地元企業が提携した商品開発と利益実現
     学生の発想力×企業の専門性を合わせ、ヒット商品を生み出す。

 テーマ(3)企業の宣伝広告のあり方と課題
     宣伝広告と勧誘との違いは?

特殊な犯罪(ワンクリック詐欺・海賊版DVDなど著作権違反)にあたらないようにするには?

 テーマ(4)次世代への事業(経営)承継 (大きな問題)
次の世代に受け継げるような経営の仕方、経営者の育て方はどのようなものか?
福利厚生・給料面→継ぎたくないという跡継ぎが多い→他人に譲るのか?→最悪、倒産。
継ぎたいと思える会社・経営作りは?

実態調査の内容紹介 

  2<考えよう!>企画作成用紙を書いてみよう。

【設問】上記の企画をどうするのか。


3.調査・研究方法のアドバイス
・テーマ設定をしっかりする。
・調査内容を調べる。内容を十分理解する。
・実際に訪問する。
・プレゼン能力を高める。







2017年度法政AR 第3回、第4回の記録


法政アクティブリサーチ 第三回・第四回講義

日時:20171004日(水) 3限~4限(1315分~1630分)
場所:龍谷大学 和顔館B208
担当者:牛尾洋也、今川嘉文、石塚武志、濱中新吾
外部講師:田村直広(新聞記者)

 ▼本講義構成
 ①ワークショップ(WS)のレクチャーと実践
 ②模擬会見から新聞記事を書く

▼本講義内容
Ⅰ テーマ、担当者 「問題解決能力の学習」 牛尾先生
3限(1315分~1500分)
1.ワークショップ(WS)レクチャー(牛尾) PP・レジュメ有
 ・WSの進め方、心得
 ・「問題解決能力の学習」内容
  ①問題分析、②原因分析、③理由分析、④アイデア分析、⑤課題分析、⑥整理と発表

2.WS実践
 ①各班内でWS 1340分~1425
 ・各班で進行役(ファシリテーター)、記録や書記係、発表係を決めて開始
 ・テーマ:事前に関連HPの参照を指示
石塚クラス「少子化問題の解決策を考える」、
今川クラス「過疎・高齢化問題の解決策を考える」、
濱中クラス「地球温暖化問題の解決策を考える」、
牛尾クラス「空き家問題の解決策を考える」
 
②発表
 ・順番:
  今川②1425分~ → 牛尾②1427分~ → 今川③1430分~ →
石塚②1435分~ → 濱中②1437分~ → 今川①1441分~ →
牛尾①1445分~ → 石塚①1451分~ → 濱中①1455分~




Ⅱ 担当者・テーマ:田村直広「新聞の記者の仕事とニュースの見方」
4限(1510分~1630分)
1.新聞や新聞記事について
 ①自己紹介
 ②体験談
 ③新聞記事の紹介(別紙記事有り)
 ④新聞記事の書き方をレクチャー

2. 模擬会見と記事書き
①小池都知事の会見を想定し、ARスタッフが小池都知事として各班内で質問を受ける
 ②①を基に各自で記事を書く
 ③記事の発表とまとめ
 ・牛尾①、石塚①、今川②で一人ずつ発表有り←田村さんのコメント
 ・田村さんが回答例を示し、全体の講評に入る(概ね好評)
 ・田村さんから最後に:大学の外で大いに学ぼう!

3.次回予告(牛尾)
 ・次回の教室は21号館101

◆講義の様子
















































2017年度法政AR 第1回、第2回の記録

                             法政アクティブリサーチ 第一回・第二回講義の記録

日時:2017年9月27日(水) 3限~4限(13時15分~16時30分) 場所:龍谷大学 和顔館B208
担当者:牛尾洋也、今川嘉文、石塚武志、濱中新吾 受講者:学生約50人

▼本講義構成
    ①全体オリエンテーション、クラス別、成績評価方法等の公表(約30~40分)  
  ②各先生からの法政ARの意義、コメントなど(約2時間)

実証分析入門(11月22日実施)の振り返り

本日の実証分析入門、お疲れ様でした。
SPSSを使った実習では「何のためにこの操作をしているのか、よく分からない」と思った人が多かったかもしれません。

例えば、対数変換の話をしても良かったのです。しかし、入試受験科目の違いや入学後の履修科目の違いで皆さんの数学力は中学レベルから大学教養レベルまで大きな差があると思い、あえてやりませんでした。対数変換の話は数学の授業みたいになってしまうので、「政策科学の実証分析」という趣旨がぼやけてしまいそうだったからです。もし対数変換をする意味を理解したい人は下のリンク先を読んで下さい。

https://atarimae.biz/archives/13161

同じ理由で、検定(統計的有意性)の話も全くやりませんでした。検定の話をするには確率論を理解しなければならず、確率論は極めて数学的な議論の積み上げを必要とするので、理工学部の学生でないとなかなか理解できません。この辺りは卒業論文で必要のある人だけがやればいいと思っています(必要性を感じた人は経済学部に統計学と計量経済学の講義があるので、それを履修すればいいでしょう)。

本日は数学的な議論を省略し、エッセンスだけをPC操作で実感できるような演習にしてみました。今日やってみたことを復習する場合、配布したハンドアウトを見ながらもう一度SPSSを操作してみるといいでしょう。実際に手を動かさないと実証分析はできるようにはなりません。高校1年レベルの数学(数学IA)は理解できている前提で、演習内容を振り返ってみたい場合は、下記の資料を読んでみるとよいと思います。

http://blog.livedoor.jp/iwamurah-seminar12ks/regression_01.pdf

濱中クラス所属学生向けのアナウンス

濱中クラス所属学生各位
 クラス分けはまだ実行されていませんが、当クラスに配属される予定の学生はおおよそ決まっているので、その学生さん達に通知します。

 濱中クラスでは最初のセッションで映画を観ます。観る映画は、
土井敏邦『届かぬ声:パレスチナ・占領と生きる人々』です。パレスチナ問題のドキュメンタリー映画です。4巻シリーズと重厚なので、観るのは一部分だけになります。

 この映画を観た次の週から、文献輪読セッションに入ります。読む文献は、
臼杵陽(2013)『世界史の中のパレスチナ問題』講談社現代新書、です。始まるまでに購入しておいて下さい。

 平行して、フィールド調査の計画をみなさんに作成してもらいます。訪問先やインタビュー相手の選定から窓口との折衝、日程調整の連絡、(宿泊を含める場合は)宿泊施設の手配等、すべて皆さんにやってもらいます。私は最初の情報を提供するだけです。
 私のクラスにはARスタッフの澤田侑子さんが居るので、澤田さんにフィールド調査について相談するのが良いと思います(過去にゼミ合宿で沖縄に行っています)。

 臼杵(2013)を読み終えたら、春休み中の宿題としてSahlie & Deng(2003)という英語論文を読んでおいてもらいます。この論文はパレスチナ人を対象とした世論調査データを分析したものです。第5セメスターに彼らが使用したデータと同じものを皆さんに提供するので、SPSSで再現分析(レプリケーション)を行います。この活動により、中東和平に対するパレスチナ人の「真意」を推定します。

 中東和平問題に対して日本政府や地方自治体は何ができるでしょうか。外務省の「平和と繁栄の回廊」構想がどのようなものであり、どの点が評価できて、どの点を批判すべきかを皆さんが検討してみましょう。

11月22日の共通講義について(濱中)

履修者各位
 既にお伝えしているとおり、22日の法政アクティブリサーチは5号館303情報実習室で行われます。ここには50台以上のPCがあるため、大人数でもコンピュータ実習を行うことができます。当日はPC実習を行うので、自分のアカウントでログインできるようにしておいてください(ログインできなくて困る学生が何人か出ることがあります)。
 PC実習ではSPSSというソフトウェアを使います。マウスだけでほとんどの統計分析を行うことができるので、全くの素人が分析をする場合に便利なソフトウェアです。また当日はmanabaにアクセスできるようにもしておいてください。manabaに実習用データをアップします。このデータにアクセスできないと実習を行うことができません。